頭の中では処理できない

 僕はメモを取るのが下手だ。人の話を聞くのは楽しい。でも、楽しさにかまけて会話に集中するとメモの手が止まる。だからボイスレコーダー等を使って録っておけば良いのだ。それは分かるのだが、その「ちょっと録っても良いですか」と言う手間が惜しい。もっと自然に会話に入っていきたい。

 日常会話でも同じ話を何度もするので、本当ならボイスメモを残しておきたいくらいだ。でも、本当に残る言葉はメモしなくても刻まれると信じているのだろう。実際には忘れるのだが、忘れるくらいなら大した言葉じゃなかったと思おうとする。そうじゃない。良い言葉だって忘れてしまうのだ。

 僕は自分に期待していない。自己評価が低い謙虚な男だと思われたいわけじゃないが、どう見積もっても評価できない点が多い。メモに関しても、一応手元に残ってはいる。でも、内心「どうせ何も書いてないから」とはじめっから見返さないのだ。で、後日見返すとちゃんと書いてあったりする。

 生真面目さにムラがあるので、ちゃんとしている時がたまにある。大抵は途中で真面目が途切れるのだが、たまたま最後まで真面目が持続した時などはメモも過不足なく取れているのだろう。でも、自分を信じていないし記憶に自信ないから、そのメモの存在をあっさり忘れてしまうという有り様。

 かつてはメモを習慣づけようと、手帳とメモ帳とを使い分けていた。これに落書きというか、イメージを走り書きできるようなノートも持っていたので、さらに書いた場所がわからなくなる。今は手帳にしかメモは取らない。だから手帳を見ればメモは確認できる。それでも忘れることがあるのだ。

 本当にいい話は、こちらが「仕事ですよ」と言ってはじめた話の中では聞けない場合が多い。その仕事を離れて世間話的に話している時に、本人の本音がポロッと溢れるのだ。それは、もしかしたら本人も自覚していない新たな側面だったりするかもしれない。そういう面を拾うためにメモを取れ!

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メモと同様、同じ過ちを何度も繰り返す男。割り箸も上手に割れない。