走れ、きっと間に合う

 僕が最寄りの駅まで行くのに、自転車だと大体15分くらいかかる。それは、夏場で大汗かかないくらいのペースだ。目一杯飛ばせばもうちょっと早い。それでも10分切るくらいのスピードだろう。それで、駐輪場に停めてから駅のホームまで3分くらい。通常なら家からホームまで20分前後。

 今朝は、なるべく早めに会社に来て欲しいと発注元の社長に言われていた。そのつもりで朝の準備をしていたが、PCを起動させたらアップデートの通知が来ていた。まだ時間もあるし「やっとくか」と思ったら、それが想像以上に長い。途中で終わらすのも怖いので、ただ待つしかないのである。

 アップデートが終わり、家を出た時間は10時42分。かなり急いで間に合うとしたら、10時58分発の電車だ。それでもかなりタイトだ。その電車に間に合ったところで先方との約束には遅れるのだが、それに間に合わないと、さらに10分後になるので逃したくはない。とにかく急ぐのみだ。

 ちなみに僕の自転車は普通のシティサイクルとでも言うのか。ごく安価な自転車だ。メンテナンスに気を使うこともないので、サビがひどい。ペダルを踏むたびに不快な軋み音が響く。そして以前、不注意で段差を見誤って自転車ごと落下したことがあり、後輪がナナメになっていて、非常に重い。

 この自転車で飛ばしても10分は切れないだろう。途中の道で太腿が痛みだし、最近の運動不足を痛感する。でも、諦めない方が良い。中途半端に諦めて、ホームに着いた瞬間に電車が出てしまったことが何度もある。あと15秒早ければ間に合う。その程度の差だ。ここは我慢して強く踏み込め!

 いつもより飛ばしたおかげで絶対に引っかかる信号をすんなりパスできた。時間を見ると51分。あと7分だ。頭の中でカウントしながら走ろう。最後の信号で確認すると53分。あと5分で電車に乗れるか? もう迷うな。駐輪場から走ってホームに着くと発車3分前。家から13分で着いたぞ!

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通勤路の最後、駐輪場へのアプローチが狭いので歩行者がいたら諦めていた。