さよならカメラ

 前職の先輩から借りていたカメラを仕事で使っていたのだが、長年の使用に耐えきれずに昨日ついに息を引き取った(ように見えた)。被写体を認識しないので、ピントが合わない。僕はカメラの扱い方をサッパリ理解していないので、小さいトラブルはすべて「壊れた」と泣き喚くばかりなのだ。

 ただ、そのカメラを貸してくれた先輩からは「今でもあのカメラを使って仕事になっているとしたら、確実に腕は上がっているはずだ」と言われた。最新のカメラを使えば問題なく撮れる写真が、このカメラでは撮るのが難しいということだろう。それはカメラ自体の技術的な変化でもあるようだ。

 僕の仕事は要領とスピードがモノを言う。ていうか、早く多く仕事した方が稼げるという単純計算だ。そのせいで常に時間に追われているような気持ちが消えない。でも写真を撮るというのは、しかも被写体が人間の写真を注文通りに撮るというのは時間がかかる。僕のような素人が撮れば尚更だ。

 一応言うと僕はカメラマンではない。ただ、ちょっと前に看板に使う素材の写真を撮りたいと言われて助言したら「じゃあ撮ってください」と無茶振りされたのだ。カメラマンじゃないから撮れないと断っても「私よりはマシ」の一点張りで根負けしたのだ。プロに頼むという選択肢はないらしい。

 その仕事の続編として、昨日も撮影に行った。実際に現場に行ってみると開き直るものだが、それでも不安は残る。家でカメラをチェックしていたら電源が入らなくなってしまった。何度かオン・オフを繰り返していたら直ったのだが、このようなトラブルは前から出ていたので寿命かもしれない。

 モデルに対してカメラを向けると調子は出てくる。このカメラが性能的に申し分のない最新機ならば、もっと調子は出そうだ。でも、途中からまったくピントが合わなくなり、モデルを待たせる時間が生じてしまう。なんとかサブ機と他人のカメラを借りて撮ったが、情けないセッションだったぜ。

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フォトジェニックな牡蠣。こんなセクシーなモデルなら何枚でも撮りたい。