雨に誘われ動き出す

 天気が悪いとやる気を失う。今日は朝からジョギングして、午前中に仕事を終わらせて、午後はゆっくり本でも読んで過ごそうと思っていた。もしくは近くの駅から電車に乗って都内のラーメン屋をのぞき、帰りに新しい本を買うという計画もアリだな、なんて夢想していた。そして今、午後4時。

 朝起きて雨が降っていると気が付いた時、軽く安堵する自分がいた。朝のジョギングは気持ちいいし、出かけるのも楽しいのだが、億劫だと思う気持ちもある。雨はそれを帳消しにしてくれる。本当は雨でもできることばかりなのだが、初めから自分の中に「やらない理由」を探していたのだろう。

 結局、今日はダラダラ過ごしている。いつも通りだ。ここにひとつだけ宣言しておこう。明日の朝は走る。そして午前中にひとつ仕事を終わらせる。時間に余裕があれば、断った草野球に顔を出したい。まあ、草野球は無理そうだ。仕事が進んでいないので、明日にスライドさせなければいけない。

 休みの日に雨が降ると、浮き立つような気持ちになる。子供の頃は少年野球の試合ないし練習が中止になると、日曜日の午前中にやるアニメが観られた。今にして思えば他愛のない理由でワクワクしていたものだ。まだ我が家にビデオがなかった頃で、どうしても「キン肉マン」が観たかったのだ。

 中学・高校と部活に明け暮れていたが、僕は熱血野郎とは程遠かったので、雨の日は「中止にならないかなぁ」と願っていた。たまに休みの時もあるのだが、そんな休みの日に限って雨だったりした。普通の休みの時は晴れてもいいのにと天気に毒づきつつ、予定もない休日を持て余すのであった。

 ある時、高校の同級生が「ひとりで映画館に行くのが好きだ」と言っていたので真似してみた。記憶は曖昧だが、たぶん「ゴッドファーザー・パート3」を日比谷の映画館に観に行った。なんの予定もない日曜日にふと思いついて行った割に楽しめた。映画というより、その行為自体が楽しかった。

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小湊鉄道のある駅にて。目的のない電車旅行は意味もなく写真ばかり撮る。