太陽光線ふりそそぐ惑星で

 アウトドア派でもなんでもない僕だが、キャンプ場に行ったりBBQに参加する機会は何度かあった。詳しく述べることは割愛するが、キャンプ場に行くのは仕事だ。BBQは友人宅で行われるものに参加することが多いが、規模的には10人以上な場合が多いので今年は社会的配慮で中止だった。

 外で食べたり飲んだりするのは、とても楽しい。キャンプ場のような専門の場所でなくても、そこらにシートを敷いて酒盛りするだけで非日常を味わえる。でも、キャンプ場に行くと焚き火ができる。だいたいキャンプ場は山奥にあるので、夜は暗い。その闇に浮かぶ炎の揺らぎはとても落ち着く。

 本当なら、その炎の揺らぎを見ながらビールを飲み続けたい。この時期は寒いのでお湯割とか熱燗でもいいのだが、とにかく焚き火を囲んで飲むのは気持ちいいだろう。でも、先に言ったように僕がキャンプ場に行くのは仕事だ。夜には仕事が終わっているので、その場から去らなければいけない。

 昼間に行うBBQなら、できれば川沿いでやりたい。海でもいいが、海沿いは制約が多いし、泊まりじゃないと余裕がない。川なら近所にもあるのですぐに行ける。でも、僕が心底求めている川沿いは上流だ。山深くなくてもいいが、できれば近くに稜線が望めて、緑で視界が遮られている場所だ。

 結局そういう環境を求めると、ここではないどこかに行く必要がある。遠出は気軽じゃない。僕がひとりで川沿いで浸りたいのなら、それでも構わない。普段の飲み歩きならひとりの方がいいが、アウトドアひとりぼっちは未経験だ。旅行で、ふと立ち寄った海辺で缶ビールを飲むのとは違うのだ。

 やはり、キャンプやBBQは大人数で楽しみたい。ひとりキャンプのススメみたいなムック本も出ているが、僕にその素養はない。そもそもキャンプとBBQを混同している部分があるが、このふたつは別モノだ。僕は仲間と外で飲み食いがしたくて、実は焚き火を見るのも好きというだけの話だ。

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アウトドアな行事に似合う風景。緑と水、生命力のある場所に人は集う。