プラスチックに踊らされ

 いくつかのパスワードを記憶しているが、これらの無意味な文字列を記憶していることが無駄に思えてならない。かつては「忘れないような番号」をパスワードに設定することが多かった。でも次第に、他人に特定されないような分かりにくい文字列にしなさいと注意喚起されるようになって来た。

 今では、このようにパスワードの入力が必要なサービスの利用総数は両手両足でも足りないだろう。それは一回性のものもあれば、今後何度も使うというものもある。すでにパスワードを忘れているものもあると思う。それで困ることがないのだから、そのサービスはすでに使っていないのだろう。

 最近、個人情報を我からベラベラ人前で話して、逆説的にセキュリティの大事さを訴求するようなスマホのCMがある。その中で、公園で自分の口座番号を漏らしているシーンがあるのだが、銀行の口座番号を他人に知られても問題ないと思った。取引先に入金してもらう時に普通に伝える情報だ。

 カードの暗証番号が他人にバレたとしても、カードさえ死守していれば勝手に引き出せるものじゃない。カード紛失の危機は、これまで何度かある。財布を落とした時だ。カードは銀行に電話して即刻止めたが、それらの手続きをしている途中で電話がきた。財布を拾った善意の第三者からだった。

 その人が電話でいうところでは、ある駅で財布を落としたのを見て、追いかけて渡そうとしたが見失ったとのことだった。その駅が、その日僕が利用した駅ではなかった。その点が不振だったのだが、とりあえず善意の第三者さんは別の駅に財布を届けたという。ほどなく、その駅から電話が来た。

 その人がなぜ電話番号がわかったのかと言うと、名刺の予備を財布に入れていたのである。それには個人情報が記載されている。悪意ある人間が拾っていたら悪用されそうだ。しかも、拾ったのは僕の通ってない駅なので、謎が残されている。財布の中身は減ってなかったと思うのだが、真実は闇。

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先日この店で友人におごられた際、チラ見でカードの暗証番号を覚えた。