焼肉の日の、次の日に

 バーベキューを「みんな好き」だと思っている人は多い。誰でも外で肉を焼いてワイワイやるのは楽しい。幹事は大変だが、割と周りも協力するものだ。よく「常識を疑え」と批評性を持って社会を見るような人でも、バーベキューに誘われたら普通に「行く行く」とふたつ返事で来ると思うのだ。

 僕は、どちらかといえば逆張りのひねくれ者なのだが、それでもバーベキューに誘われてイヤな気持ちはしない。海に誘われるのと同じくらいワクワクする。しかも、大人のバーベキューはビールが飲める。クルマで行く場所だとしても、なんとかして運転しない方に紛れ込むようセコく行動する。

 かつて、知り合いが通っていた飲み屋のバーベキューに誘われて、普段なら知らない人間ばかりの会合に付き合いたいとは思わないのだが「バーベキューなら良いか」と参加した。そのバーベキューは、不本意ながら過去イチの楽しさだった。なぜ不本意か、それはその知り合いとは絶交したから。

 まあ個人的な事情は置いて、その過去イチ楽しいバーベキューの顛末を記しておこう。まず、場所は忘れたが、どこかキレイな山間の川原までバス移動なのだ。これは素晴らしい。確か、バスの運転手も店の常連のひとりだったと記憶している。ひとりの犠牲で大勢が丸1日酒盛りを楽しめるのだ。

 現地について、飲み屋のマスターが振舞ってくれた焼きそばが物凄く旨かった。コツは、まず鉄板に乾燥小エビを大量に敷き詰めて香りを出しておくのだ。そこからは一般的な手順通りに焼きそばを仕上げる。最初に隠し味を仕込んでおくことが大事なのだ。自分でも作れそうだが試してはいない。

 そして、最も素晴らしいポイントとしては、飲み屋主催の利点である生ビールサーバーの存在。会費制なので当然飲み放題だ。そこでたくさん飲んだ僕は、酔ったせいか、かつてないほどジョークが冴えた。初対面の人間にあんなにウケたことはない。それは、周りもみんな酔っていたからだろう。

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アウトドアで、気の利いたひと皿でも作りたいものだ(写真はイメージ)。