プライドは非効率な厄介者

 なにか事を起こす時には、誰でもいちばん早いやり方を選ぶものだ。時間は大事だし、その事に関わる人間がいる場合は、その相手の時間も奪うわけだから、最小限の手間で済ませるのが礼儀でもある。ただ、その事を遂行するに当たって気を遣わせる人間がいると、無駄な労力が発生してしまう。

 以前、両親に頼まれて軽自動車を新車で購入する手続きを代行した。知り合いのクルマ屋さんに頼んで、結構高い新車を購入することになった。そのクルマ自体は父親が乗るのだが、父はなぜかクルマ選びは僕と母親に任せっきりなのだ。現状では、母はもう運転はしていないので、父の専有物だ。

 このクルマの管理というか、クルマ屋との折衝役が僕になってしまっている。別に構わないのだが、たぶん、父は言いたいことを全部言ってない。恐らく、クルマ選びの段階から不満があるようだ。そもそも、軽自動車を選んだこと自体が自分の意思じゃないようなことを、初期段階で言っていた。

 そこに来て、この新しいクルマになってから母親が運転しなくなった。変なところでぶつけるので、僕が運転を止めたこともある。ただ、そうなると軽自動車という選択自体が無意味になってしまう。その辺りに父の不満の根源がありそうなのだが、とは言え本人はそういう不満を一切口にしない。

 ところが、定期点検の案内が来ると毎回母親を通して頼んでくる。新車の半年点検、一年点検などは、よほど悪いところがない限り出さないものだ。我が家族は、僕を含めてクルマのメンテナンスの知識が皆無なので、この辺は適当だ。でも、せっかくの新車なので大事に乗りたいという所だろう。

 そう思って、無駄だと思いつつ定期点検に出していた。でも、実は父の意向は別の所にあったのだ。ボディの左下あたりを擦り、そこの塗装が剥げて錆びて来てしまったらしい。それを点検の時に直してくれると期待していたのだ。近々また点検なのだが、そこの修復を、母親経由で今朝頼まれた。

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これは僕のオデッセイだが、格安の中古なのでたまにナビ画面が消える。