同年代程度のヴィンテージ

 自分が身につけるものの銘柄にこだわり始めるのは、小学校の高学年くらいからだろうか。僕の場合、まず最初にメーカー名を認識したのは野球用品だった。あの頃、グローブといったら「ミズノ」だ。あの「赤カップ」に憧れたものだ。メーカー内の等級を色分けしたカップのロゴで示していた。

 まあ赤カップというのは「硬球用」になるので、軟式でやる少年野球の場合はオーバースペックになるのだが、それでも同級生で持っている子がいると欲しくなるのは人情。その辺りから僕の「モノへの執着」が生まれたのかもしれない。でも結局、赤カップのグローブを手にすることはなかった。

 そのように、徐々に「モノには銘柄がある」ということを学び、よりカッコいいモノを持ちたいと思うようになる。消費社会に誘導された物欲の奴隷とも言える。でも、そういうモノ選びの中にも個性は出るし、それを楽しむのは悪いことじゃない。とはいえ、子供の頃はただ左右されるだけだが。

 僕が最初に買ってもらったスポーツメーカーの商品は、ミズノのMラインが入ったシンプルなスニーカーだった。オフホワイト地に赤いMラインが入っていた。当時のミズノは「ランバード」ブランドを出したばかりだったからだと思うが、このスニーカーは店の中で一番安かったと記憶している。

 その当時のスニーカーだが、いま思い返すとシンプルでカッコよかった気がする。同じ時期に、どこのメーカーのものだか忘れてしまったが、紺色のランニングパンツを買ってもらった。子供しか履かない太もも全開の短パンだ。その短パンとミズノのスニーカーの組み合わせがすこぶる良いのだ。

 先ほど、ジョギング中に足元を見ながら走っていると、ジョギングで履くなら「アリだな」と思えてきた。いま、あの手の短パンは大人用として売っているのだろうか? ミズノのMラインは数年前に復刻したのを見た気がする。あとは当時モノのランニングパンツ、できれば紺色を手に入れたい。

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時間の経過が思い出を美化する。あまり印象にないどぜう鍋も良い思い出。