酒場に不要なラップトップ

 よく行く酒場から仕事を手伝ってくれと頼まれたので、先週末はノートパソコンを持ち込んでビールを飲みながら作業していた。営業時間中なので、なるべく邪魔にならないように端っこに座っていた。でも、酒場のカウンターの端っこは人気席だ。片側がフリーなのでパーソナルスペースが広い。

 電源を供給してもらうためにコンセントの近くじゃないと作業できない。そういった都合もあって端っこに座っていたのだが、なんとなくみんなの視線が痛い。別に誰かが「特等席」としてそこを占有し、それを店側も常連も暗黙の了解で認めているというわけじゃない。ただ、目障りなのだろう。

 仕事帰り、ないし休日の癒しに訪れている人にとって、パソコンは仕事の象徴だ。忘れたい事柄を想起させるツールなので、それを酒場に持ち込まれるのは不愉快だろう。しかも、僕は実際にそれで仕事めいたことをしている。給仕の合間に店主と相談しながら、なんやかやと打ち込んで行くのだ。

 常連が増えて仕事が継続不能となり、最初の日は途中でやめた。やめた瞬間に、仕事終わりの気分になった。飲みながらやっていたのに、それまでのビールはオフィスのコーヒーのようなもの。パソコンを仕舞ってからのビールに仕事終わりの一杯を実感して、そこからさらに飲み進めてしまった。

 最近は酒場のカウンターでパソコンを見ている人は多い。それは動画視聴だったり、スポーツなどの実況中継だったり多種多様だ。でも、それらの人々からは「仕事感」を感じない。遊びのツール、家の延長としてのパソコンだ。でも、リモートワークの昨今、酒場に仕事を持ち込むことは増えた。

 そんな酒場ワークの際も、なるべく仕事感を感じさせないように、逆に仕事を片手間な感じでやるように心がけたい。そうすると、仕事の進みが悪いので途中で諦める。翌日も行くことになる。結局酒場の出費の方がかさむという。でも、これは僕の働き方改革として推し進めていきたいテーマだ。

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家より酒場の方が通信環境が良いというのも問題だ。あと、涼しいし。