投票日にはステーキを

 いつも、いきなり連絡してくる大学の同級生がいる。昨日の午前中、完全に二日酔いで死に体の僕は、ベッドに寝転がってTVを見ていた。横たわった体に魂は残っておらず、抜け殻のような放心状態で捨て置かれていた。そこに一通のメールを受信。我にかえり、チェックすると先の同級生から。

 そこには「吉祥寺でランチでもどうか」と記されていた。放心状態から戻ってきたばかりだったので、そこまで行く時間の計算もできず、しばらくはボ〜ッとしていた。脳が再起動したので最短時間を計算すると、サッと準備して出かけて12時半には着く。その旨を返信すると「遅い」とのこと。

 この人はいつもそうだ。無理ゲーを強いるのだ。僕は「じゃ、行かね」と返事することもできるのだが、あらゆる局面で、僕は断ることができない。結論として簡単なことはわかる。条件が合わないのならば断るしかないのだ。でも、その答えがイチバンつまらないことも知っている。だから行く。

 とはいえ時間は変わらない。僕の返事は12時半の一点張りだが、それは最短でその時間だから仕方ない。普段なら代案を出すところだが、代案を考えられるほど脳がしゃっきりしていない。二日酔いなことに変わりないから。でも、そんな怠惰な日曜日を変えてくれそうな期待で復調していった。

 時間を急かされていたのは、同級生が店を予約していたからだ。現地に着くと、一瞬怯むような高級感の漂う佇まいの店舗ビルだった。そこで予約名を告げると、先についているはずの友人は「まだ来ていない」とのこと。とりあえず待合室に通されて「ついたらお呼びします」とのこと。不安だ。

 僕が少し急いだので、12時半より早く着いていた。友人は12時半にやって来た。少しだけ予約の時間を調整してもらったらしい。急な誘いの詫びということでもないのだろうが、そのランチは友人がご馳走してくれた。ひと味違う休日になって十分堪能できた。結局は楽しかったということだ。

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昨日の高級ステーキ。焼く前の肉を見せて「これを焼きます」と宣言。