僕のニューノーマル

 以前よく観ていた海外ドラマで、サイバーテロに襲われて以降の世界を描いた「ダークエンジェル」という作品があった。そのシーズン2で主人公がウイルスに感染し、彼氏的な相棒の男に接触できない状況になってしまう。まるで現在の状況を予見しているようだが、その結末は忘れてしまった。

 ここで描かれた近未来というのは、ちょうど現在の辺りである。ステイホームを推進する現在にサイバーテロが起こったりしたら、通信手段が遮断されてしまう。リモート飲み会もできなくなってしまう。それは、できなくても良いか。ネット通販が使えないので、結局外出することになるだろう。

 もはやステイホーム期から、次のフェイズに進行中という印象だが、久しぶりに乗る電車の混み具合には多少警戒してしまう。疑心暗鬼に囚われているというわけではないが、さすがに「ここだけは安全」と思い込むのは無理がある。そして、感染者数の増加が警戒心を緩めるようなところもある。

 警戒心が緩むといっても、外出時にマスクはするし、店舗に備え付けのアルコールで手指を洗うのも忘れない。一応のマナーは心がけているつもりだ。でも、大勢が罹患しているなら、自分ひとり分の感染も大きな分母に隠れてしまうような気がする。つまり、恐れる心が緩んできたということだ。

 それは正しいことなのかもしれない。恐れる心を緩めなくては、日常には戻れない。今まで通りというわけにはいかなくても、健康的な生活を送るためには外に出なくてはいけない。家は帰る場所なのだ。家ですべてを完結させる生活は息苦しくなる。在宅で仕事している僕が言うのもおかしいが。

 冒頭のダークエンジェルに出てくる極秘施設の名前が「マンティコア」と言う。どういう意味だろうと思って調べたら、アジアの森林に生息すると言われている伝説の生物だった。かっこいい名前だ。僕がなにがしかの店舗を構える時は、是非とも店名として採用したい候補のひとつとなっている。

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遠くから世界の平和を願いたくなるような田舎の夕暮れ。君に幸あれ!