雑文から雑文を生む

 パンデミック以降の生活が数ヶ月続き、この間に思ったことなどをアーティストが発信したり、書いたりしたものを読むことが増えた。僕も多少は参っているので、助けというか、ヒントのようなものを模索している。そんな中で聞かれる言葉としては、時代は「もう元には戻らない」ということ。

 この状況のゴールは、ワクチンなどの予防薬や症状を緩和する薬が開発されることだ。それは、将来的には開発されるだろう。でも、その間に仕事や日常は動いており、新しいスタンダードに慣れるはずだ。テレワークで事足りる仕事は出社せずに(移動せずに)済ませた方が効率的だという話だ。

 高効率で、利便性の高い社会。ネットワークの環境も近いうちにワンランク上のステップに移行するだろう。さらにテレワークの即時性が生かされる社会となって行く。今は移動を自粛しているけれど、自分から選んで移動を厳選するようになるだろう。できないじゃなくて「しない」という選択。

 人と面と向かって会う、話すことがリスクとなってしまった。でも、テレビ電話などで表情を見ながら話すことはできる。そういった通信の設備も良くなってくるので、一般的なコミュニケーションツールとしてさらに浸透する。そういった細部から見ても、社会の中身が変わって行く予感がする。

 旧態依然側の勢力が足を引っ張るのを許さない世界情勢、つまりこのコロナショックは新技術や新しい生活習慣をスタンダード化させる千載一遇のチャンスだと思う。僕はビジネスチャンスを逃さないタイプではないので「そうなんだろうな」と考えているだけだが、淡い期待のようなものはある。

 その期待は、僕が子供の頃に夢見た未来に追いつくという感覚に近いだろうか。その世界で僕が遊んだり、酒場で飲む金に困らない程度の収入があれば何も文句はない。そこまで一気に進みはしないだろうけれど、以前と同じ世界が戻ることはないという意見はよく聞く。それを好意的に捉えたい。

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かつてバーだった店は、昼営業のカフェでバーガーを提供するに至った。