しゃっくりは吃逆と書く

 僕のしゃっくりがなかなか止まらないことは、僕がよく行く飲食店の従業員にはよく知られた話、というより、知っておいてもらいたい情報だ。飲み食いしているときにしゃっくりが始まると、その日のうちに治まることはまずない。仮に治まったとしても、それは飲酒酩酊による一時的なものだ。

 しゃっくりの止め方は無数にあるが、いつも効かない。誰もが絶対の自信でもってプレゼンしてくるのだが、僕の鉄壁のディフェンスの前にはなす術もなく敗れ去って行く。別に「俺のしゃっくり最強」と自慢したいわけじゃないし、最強であって欲しくない。サッサと治まるに越したことはない。

 いつも、しゃっくりが止まらなくなるたびにネットで調べると「原因は不明だが数時間で治まるのが一般的」という文言を目にする。それを読んで、いつも「ケッ」とスマホに悪態をつき、横隔膜をヒクヒクさせながらイライラを募らせるのが常だった。でも、今回はもうすこし掘って調べてみた。

 単なる横隔膜のけいれんだけではなく、迷走神経が関わっているらしいことが分かった。迷走神経って何だ? 脳から腹部の臓器へと縦横無尽に走っている神経のことらしい。この神経が呼吸や循環にも関与していることから、しゃっくりの要因にもなるということらしい。すべて推測ではあるが。

 そのサイトにはいくつか「しゃっくりの止め方」が記されていたが、そのうちのひとつ「両耳に指を突っ込んで耳の奥を1分間ほど押す」というのがあった。耳の奥の迷走神経を刺激することでしゃっくりを止めるということらしい。これは試してみる価値がありそうだ。早速指を突っ込んでみた。

 刺激するのだから、多少強めに押さないと効果は出ないだろう。耳の穴に傷をつけたくないなぁと思いながら、それでも、この鬱陶しいしゃっくりから解放されるならばと、藁にもすがる気持ちで集中して押した。疑心暗鬼を吹き飛ばすために没頭すると、意外にも出なくなっている。効果ありか?

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こういう元栓をキュッとひねると治るみたいなシンプル設計にしてくれ。