無関心なガール

 個性的でおしゃれな女の子を見ると、つい、目で追ってしまう。その個性は「何が人と違うのか?」を見つけ出したいのだ。服の合わせ方なのか、色彩感覚なのか、着崩し方なのか、そのヒントを見つけるまで執拗に凝視しているかもしれない。とはいえ、自然に目で追っているだけのつもりだが。

 そうやって気になるということは、自分にも応用させたいと思うからである。大柄の男である僕が、何故か女子のファッションを参考にしている。でも仕方ない。男であり、性的にストレートな僕は、街中では基本的に女子しか見ていない。もうそれは本能であり、自然な反応だから変えられない。

 かなり前に、知り合いの女の子がスポーツメーカーのロゴ入りトレーナーを着ていたことがあった。別に部屋着という風でもなく、ちゃんと女子っぽい格好なのに、合わせたトレーナーだけ違和感がある。その違和感は、でも見ているうちに「悪くないな」と思えてきて、とても好感が持てたのだ。

 上下のシルエットのバランスが良かったので、大きなロゴの入ったトレーナーも「ワンポイント」に見えてきた。それは、スポーツブランドの服を「こう使えば良いのか」と思える発見だった。と同時に、服を選ぶ際の枠がひとつ外れたのである。それは自由を手に入れたと言っても過言ではない。

 こんな風に、ファッションを「女性を参考にしている」などと言うと、どんだけオシャレなのかと思われるかもしれないが、僕はいたって普通の見た目を心がけている。ただ、普通の中に僕の好きな要素の片鱗が見え隠れするような服装が好きだ。そして、おそらくそれは実現できていないと思う。

 僕は夏になるとアロハシャツを着る。いや、汗っかきなので暑くなるとアロハシャツや半袖シャツを着始める。その下にTシャツも着るので、無駄な重ね着にも思えるかもしれない。でも、Tシャツだけだと体のフォルムが如実に出る。中年ボディだ。あまり見せたくない。だから誤魔化している。

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乗り物などの色分けも、色彩感覚の参考になるような気がする。