自分に自信なんて、ないよ

 前にも書いたと思うけれど、僕は飲食店でオーダーミスに立ち合うことが多い。僕が言い間違えているのかもしれないけれど、いざ供された時に「あれ?」と思うことが多々ある。それを「まあ、いいや」と特に質すことなく食べていると、後から店員にミスだと告げられて、責任を負わせられる。

 店員も「コチラも悪いけれど、そちら様も間違えた注文が来たのに食べましたよね?」という圧をかけてくるような気がする。その圧があからさまであれば、コチラも「はあ?」とプチ戦闘モードに入れる。でも、先方も僕を戦闘モードにさせたくはないだろうし、僕も面倒臭いので早めに折れる。

 今日のランチでも、ラーメン屋でセットものを頼んだら別の品が来た。その店の店頭には、やたらと唐揚げが押されていたのだが、僕は餃子セットを頼むつもりだった。その店に入るまで、僕は頭の中で餃子を食べる想像をしていたのだ。だから、絶対に餃子と言ったと思うのだが、唐揚げが来た。

 ここで、何の迷いもなく食べてしまっても構わないのだけれど、僕としては「別の人間が唐揚げを頼んでいたら、僕のことを『他人の唐揚げを食った嫌なヤツ』と思うんじゃないか」というリスク回避のために、一応確認した。店員に声をかけ「このオーダー合ってる?」とやんわり聞いたのだが。

 店員が、手元のオーダー表を見て「唐揚げと書いてますね」と言うので、内心「そりゃぁソコにはそう書いてあるだろう。書き間違えているんだから」と思ってしまった。一応「餃子を頼んだつもりなんだけどな」と言ったら「今から作り直しますが、時間かかりますよ」と開き直られてしまった。

 まあ、僕も店内の唐揚げビジュアルに釣られて口から勝手に「唐揚げ」と出てしまった可能性はある。この現場で、悪者探しをしたいわけじゃないのだ。ただ、そのオーダー確認のやり取りが気持ち良くなかった。僕がゴネた感じになった。こんな思いをするから、ミスを黙って受け入れてしまう。