ビーチで水分補給

 海なし県民だから海を意識することなく生きているけれど、たまに無性に海に行きたくなる時がある。仕事が午前中で終わったり、休み前の仕事がキャンセルになって時間が空いたりすると、ふと「海、行くかな」という気分になる。その時にチョイスするのは、なぜかいつも「三浦海岸」なのだ。

 三浦海岸に行くとなると東京をまたぐので時間はかかる。でも、手近なところに海をボ〜ッと見られる海岸がないのだ。お台場の潮風公園も悪くはないのだが、そこではボ〜ッとできない。東京湾岸には大好きな港湾施設のガントリークレーンやカラフルコンテナなど、写真映えが過ぎるのである。

 僕としては、浜辺に寄せては返す波を無心で見るという禅の境地に近い感覚で海に行くのである。だから、当然「季節外れの海岸」が良い。シーズン中のビーチなんてノイズまみれだ。でも、オフシーズンの海岸は波の音しか聞こえない。近所の老人は犬と散歩し、サーファーが水面に浮いている。

 この、日常からはみ出すような逃避行動に及んだのは、過去に2〜3回のことである。最初は気分転換になったが、アイデアの変更もなく同様の行動をトレースするだけなので、2回目以降は形骸化してしまっている。行くと決めた時点で自分の内面の変化を想像できるので、刺激はないのである。

 そもそも刺激を求めているわけじゃなく、どちらかといえば癒されに行っているのである。心拍を波の揺れと同期させて落ち着かせるセラピーをセルフで行なっているのだ。でも、具体的行動を取らなくても、そういう心のゆとりが必要だと思うだけで気分は変わっている。だから行動は必要ない。

 こんなことを記すということは、文字通り今「海、行こうかな」と思っていたのである。先週の仕事が割とスムーズに終わってしまい、スケジュールに余裕がある。こういう時は海か映画なのだが、特に見たい映画はないので海を選んでしまう。でも、想像した時点で満足しているのも確かである。

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荒川スリーブリッジス。広い川なら海感もあるし近い。ただ、波はない。