頭、カラッポになれない

 昨日はおそらく今年最後のライブを観に、渋谷まで行ってきた。渋谷に行くのは久しぶりだけれど、最近いろいろ変わっているらしいので迷わないか心配だった。地上に出てしまえばなんてことはないが、地下鉄で駅に着くと出口がわからずに迷ってしまう。適当に出ると絶対に逆側だったりする。

 数年前まで渋谷の会社に通っていたので、絶妙に便利でスムーズな出口を知っているはずなのだ。でも、勘でその出口を目指したら、明後日の方角に出てきた。瞬間的に自分の居場所がわからす、交差点の手前で行ったり来たりの不審者行動をしてしまい、田舎者丸出しの有り様に冷や汗タラ〜リ。

 すぐに場所は把握したのだが、歩き出した方向が逆だったので、往来で突然方向転換してひんしゅくを買ってしまった。歩きながら記憶が蘇り、平静を取り戻して会場へと急ぐ。早めに着いて周辺散策しようとも思ったが、ライブは疲れるので、ライブ前はあまりアクティブな気分になれないのだ。

 それでも散歩気分で、かなり遠回りして会場へと向かった。同行者がいたので現地で少し待たせてしまった。チケット持参者は自分なので、早く向かわなくては。ロックのライブのように頭の上を人が飛んで行くような公演じゃないので、ゆったり気分でライブ前のひとときをビール片手に過ごす。

 ライブの感想はとりあえず置いて、そこで印象的だったことをいくつか並べてみる。開演前の客入れBGMを聴きながら、スマホのアプリで曲目検索している人をかなり見かけた。僕が「あ、柴田聡子だ」と思って聴いていると、前方の女性のスマホ画面に柴田聡子のジャケ写が映っているという。

 この、曲が刺さった瞬間を目撃する感覚は大好きだ。「ハイ・フィディリティ」という映画で、店の客層を見てBGMを変え、ズバリ売れるというシーンを思い出した。とにかく、会場にいる人間の音楽リテラシーが高そうな感じがして、そこら中の音楽談義に乱入したい衝動をじっと抑えていた。

f:id:SUZICOM:20191220144403j:plain

音楽の趣味がかなり変わってきた気がする。錦鯉を愛でる趣味はないが。