冬のぬけがら

 楽しみにしていた遊びや、大変な仕事の大部分を消化した後に、燃え尽きタイムがやってくる。まだ全部終わっていないし、今年が終わっても来年に続けなければ、繋げなければいけないのが仕事だ。その仕事は生きる楽しみを増やす資金を得るための行為だから、人生を楽しまなければいけない。

 とは言え、働くのも遊ぶのも、本体である自分が健康でなければできない。僕の遊びは「飲む」と同義なので、たまには内臓を休ませなければいけないと聞く。それは、周囲の人間からも聞くし、体の内なる声としても聞く。そんな日は寝込む。何もやることがない日曜なら、なおさら寝てしまう。

 でも、ひたすら寝るのにも体力が要るので、昼過ぎには寝姿勢にも限界を感じて起きる。起きても延々とスマホゲームに興じて、今度は腕が悲鳴を上げる。そう言えば、ベッドでも寝ながらゲームをしていたので、片時もスマホを離していない。こりゃイカンと、PCを起動して仕事に手を付けた。

 ところが、仕事がサッパリ進まない。目の前にある材料で文章を作成しなければいけないのに、頭が起動しないのだ。その材料に関するメモを読んでも、自分の文字なのに書いてあることが理解できないようだ。これは「本日は完全休養せよ」という合図だと感じたので、すぐ動画サイトに飛んだ。

 動画サイトを順繰りに掘り起こす作業は面白いし、没頭すると何時間でも探ってしまう。でも、昨日は体の完全休養モードで、頭の回転も極端に鈍くなっている。動画を掘り起こす時にパッと閃く思考の伸びがまったくないのだ。そこで諦めて、ただTVを観るだけの怠惰な状態で午後を過ごした。

 そういえば昼飯も食べてないと気がついて、無性に腹が減っているのを感じた。こんな空腹感は久しぶりだったので、しばしその感覚に酔いしれた。腹が減るまでは食べない。減ったら食う。正しい生活のリズムを取り戻したような気分だ。日曜日に体をリセットする、理に適っていると思うのだ。

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休み明けの浅草橋。この風景を見ると浮世離れした華やいだ気分になれる。