町一番の働きもの

 仕事でよく行く街の中でも、浅草橋という場所はお気に入りのエリアだ。街の雰囲気が落ち着くこともあるし、職場に行く時に川を渡るので開けた感じがする。周辺が問屋街なので、都市というには雑然としている。人の往来に活気があり、また、気取ったところが少ないことも好感が持てるのだ。

 この町では外国人観光客を見かけるが、当初は「浅草と間違えてる」ような感じも見受けられた。でも、職場への道すがら周りをよく見ると、外国人向けのホステルが何軒か営業している。ここを拠点に東京の東側を周るのは、確かに賢い選択かもしれない。特に、ぶらり歩くには最適なエリアだ。

 僕は、ここに仕事に来ると、ランチの選択肢が多くて楽しくなる。ただ、ランチの営業時間が2時までの店になると諦めることが多い。僕が仕事場に着くのが11時で、2時前後がイチバン乗っている時間帯だ。そこを超えて、3時すこし前に食べに行くと、ほとんどの店は昼休憩で閉まっている。

 何度か通ううちに、このランチに関する負のスパイラルを解消するために早く仕事をあげるようになった。それは、時間を見越して早めに切り上げるということではなく、2時の営業時間に間に合うように急いで終わらせるのだ。この焦燥ダッシュによって、僕の仕事効率はかなり上がったと思う。

 僕の仕事柄、早く終わった方が得なのだ。その日のギャラで仕事を受けているので、早く終われば時間単位の評価額も上がることになる。発注元はなるべく多く頼もうとするが、向こうの素材の手配が間に合わないスピードでコチラが仕事を終わらせてしまう。それで僕は、余った時間を獲得する。

 これは、発注元が仕事に慣れて、僕の仕事が途切れなければ、コチラの量的な負担が増加するだけだ。でも、不慣れで手配が遅いわけじゃなく、構造的に遅いので大丈夫だろう。僕がいま目指しているのはランチの時間に帰れるくらいの高効率化だが、そうすると昼から飲むので出費で赤字となる。

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忙しいなんて言わないで紅葉を見に行こうよう。ほら、足元にあるよ。