にわか解説者からの謝辞

 同じ話を繰り返すのは、中年の悪いクセ。周りの、特に女性からの「その話、前に聞いた」という視線は痛いほど感じる。僕のように、周りに隙を見せまくっている人間はナメられているので、視線だけじゃなくて言葉でちゃんと言われる。言われても、同じプロセスを経ないと話せないことがある。

 このブログサービスを始めて数週間、ラグビーW杯の盛り上がりとシンクロする時期だ。唯一のめり込んだスポーツがラグビーで、高校時代から30年以上は見続けている。その間、こんなにメディアの露出が多く、街にもラグビーに関するグッズが溢れていたことはない。W杯、自国開催の成果だ。

 被害者ぶるわけじゃないけれど、日本でのラグビーは、これまでマイナースポーツとして捉えられてきた。経験者以外の人から言われるのは「ルールが分からない」「アメフトと何が違うの」という言葉。それを説明するたびに「この人は理解したくて聞いているのか?」と疑問に思ったものだった。

 僕は、アメフトとの違いを問われると物凄く歯がゆい思いをする。ラグビーのことだけを聞かれるのなら、経験者として知識を総動員して教えたい。でも、アメフトのことを僕は知らない。聞いてきた人は「似たようなスポーツがふたつあって分かりにくい」とのことだったが、似ているのだろうか。

 今回のW杯でもたくさんの人にルールを解説したり、ポジションの役割を説明してきた。ただ、大きく違うのは、今までのように「興味を完全に断ち切るために聞いてくる」と感じられるアンチ的存在がいないこと。強いジャパンのおかげで、普通に興味を持って観ているのがわかって本当に嬉しい。

 日曜日の南アフリカとの試合で、ジャパンの今W杯の挑戦は終わってしまった。南アの選手とはトップリーグで交流もあり、ジャパンの魂も乗っかったので優勝してほしいものだ。そして最後に、ここまでW杯を熱く楽しくしてくれたのは「にわかファン」の人々の声援のおかげ。心からありがとう。

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我が家からは他県と呼んでも過言ではないラグビー聖地・熊谷の象徴。