ひとまず締めくくりとして

 昨日でラグビーW杯日本大会の全日程が終了した。決勝戦は、大方の予想に反してなのかは分からないけれど、比較的ワンサイドゲームのような形で南アフリカが3度目の優勝。接戦から、徐々に地力の強さが相手の威力を制して、いつの間にか簡単には追いつけない点差が開いているという展開だ。

 この展開は、ジャパンが決勝トーナメントの初戦で南アと当たった時と似ている気がする。前半を僅差でしのいで折り返したが、後半に突き放されるというパターンは同じだ。しかも、昨日のイングランドを率いていたのは4年前に南アを破った時のジャパンのヘッドコーチ、エディ・ジョーンズだ。

 この符号をファンの偏った目線で曲解するならば、もしジャパンが2位通過していたら準々決勝でニュージーランドと当たっていて、しかも勝ったかもしれないという可能性を考えてしまうのだ。僕は「もし」ではじまる架空の話は好きじゃないのだけれども、この空想には夢とロマンがあると思う。

 今回は接戦も多かったけれど、意外と強豪国同士の試合で点差が開くことも多く見られた。特にニュージーランドの試合は、予選プールの南ア戦以外は、3位決定戦も含めて比較的ワンサイドに近い展開が多かった。点差ほど力の差があるようには見えないが、結果として点差が開くことになるのだ。

 それは、相手の得意なプレーをさせないようにディフェンスで完全に封じてしまうので、攻め手が切れてしまうのだ。守り切った方は逆に、そこから攻めに転じて、面白いように得点を重ねることになる。お互いがそれを狙ってるから前半は点差が開かず、後半に機を掴んだチームが逃げ切るわけだ。

 こんな風に、TVで観たゲームを好き勝手に妄想できる幸せな時間は終わってしまった。僕も「にわかファン」と呼ばれる人たちと同様に、W杯以外の試合を熱心に追いかけている方ではない。せっかく僕が、唯一妄想を膨らませることができるスポーツなので、国内のシーンにも注目したいと思う。

f:id:SUZICOM:20191103172250j:plain

大会期間中、行きつけの酒場に預けてあったボールを引き取ってきた。