情熱を静観する能力ください

 昨日は妹の家族が遊びに来て、茶の間で箱根駅伝を観ていた。茶の間のキャパを超えてしまうので、僕は食事の時間以外は自室に引きこもっていた。で、腹が減って階下に降りると姪っ子が箱根駅伝を熱心に観ていた。僕の昼食の時間が復路のゴールシーンと重なったので、一層盛り上がっていた。

 大番狂わせではないが、大方の予想を裏切るような展開に終始し、最後に古豪が逆転で優勝をかっさらうというドラマティックなラストだった。僕がまともに観ていたのは最終区の後半数分に過ぎないが、そこに凝縮したドラマを見出してしまい泣きそうになる。だから、いつもは茶の間で観ない。

 背は高いが、あまり運動神経に秀でた姪っ子ではないと聞いていたので、駅伝を熱心に応援する姿は珍しいものだった。本人も「こんなに駅伝をちゃんと応援して観たのは初めて」と言っていた。こういう感覚は伸ばしてあげたいと思ってしまい、つい余計なことを言ってしまう我が家の男性陣だ。

 姪っ子が応援していたのは、最後に逆転されてしまった方の、つまりは2位だった方の大学だ。照れ隠しなのか、走っている選手の「顔がかっこいい」とか「あ、この人もイケメンだ」などと言っていたが、本当はスポーツのドラマ性に初めて触れて感動していたのかもしれない。いまはそう思う。

 そんな姪っ子の、もしかしたら純真な気持ちをあまり考えることなく、我が家のスポーツおじさん2人(僕と父親)は勝手なことばかり吹き込むのである。こういうお節介で子供のやる気は削がれるんだよなぁと思いつつ、そもそもこの場合の姪っ子の「やる気」って何だろうとも思うのであった。

 確かに自分に置き換えると、父親から言われて押されたやる気スイッチは皆無だったかもしれない。父親から言われるとやる気を削がれるので、自分からやることを決めて、自分で勝手にやり甲斐がありそうなことを選んだ。それがラグビーだった。そんなものは、みんな勝手に見つけてくるのだ。

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近所の用水路で見た水中ベンチ。熱心なアウトドア派は水中を攻めている⁉︎