家にこもってやり過ごせ

 かつての天気予報は「参考程度」でしかなかったけれど、最近の予報はかなりの精度で当たるようになった。アプリの雨雲レーダーだけを見ても、直近の予報がハズれることは、まずない。だから、気象庁が「甚大な被害が予想される」と発表するのならば、間違いないのだろうと想像できる。

 今年は、台風が来るたびに各地に大きなダメージを与え続けているような気がする。島国の脆弱性が、モロに自然災害への対応力の低さになっているのだろうか。世界地図で見ると、この細い列島の頼りなさを実感する。それでも、日本以外の国に移住しようという気持ちにはなれないのだが。

 海外移住というのは、言語や手続きの問題がありそうなのでハードルが高く感じられる。でも、自然災害の可能性が低い土地への国内移住なら現実味はある。だが、同じ国に住んでいる以上、どこかで災害があれば気持ちは揺らいでしまうだろう。それならば、今の土地にいる方が潔く思える。

 僕が暮らしているのは埼玉県の南東部で、千葉と東京がギュッとなった地域だ。子どもの頃は治水が悪くて、台風や大雨のたびに川沿いのエリアの家は床上浸水に見舞われたものだ。我が家の玄関にも水が上がってきたりした。台風一過の晴れ間に、土手に畳が干してあるのを見た記憶もある。

 現在の我が家は、その頃とは違う住所だが、同じ市内に住み暮らしている。我が家の住人たちが大いにこの土地を気に入っている、というわけじゃないと思う。週末になるといまだに、暴走するバイクとパトカーのチェイスが遠くから聞こえてくる土地だ。民度の低さは折り紙付きなのである。

 それでも長く暮らしていると、頭が土地の人間になってしまうのだろうか。他人からこの地域の悪口を言われると、結構カチンとくるものだ。自分で悪態つく分には良いのだが、他人が言うのは許せない。家族や友人のことも、他人に悪く言われるとムカつくので、同じメンタリティだろうか。

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自分の部屋から寝転んだ状態で窓を開けると見える、一番見慣れた風景。