ホットサマーの予兆

 年々暑くなっているので感覚がマヒしかけているが、いよいよ6月まで酷暑の国になってしまった。この異常事態は何が原因なのか。天気予報を見ていても予報士が「暑い日が続きますので気をつけてください」と言うだけだ。科学者の意見を聞きたいところだけれど、どこで誰に聞けば良いのか。

 なんとなく当たり前に暑くなることを受け入れている風潮が気になったので、自分の意識を引き締めるために記しておいた。とにかく毎日暑い。自室のエアコンがぶっ壊れているので茶の間以外では常に汗だくで過ごしている。そろそろ暑さに慣れるのではと期待しているが、まだその気配はない。

 僕の業務形態を考えると、暑い季節には避暑地に引っ込んでテレワークで済ませることも可能なのだ。避暑地で過ごす元手がないのでそんな暮らしは不可能だが、セルフ働き方改革を導入すれば手はありそうだ。地方の空き家問題につけ込んで、格安で部屋を借りるというやり口もアリだとは思う。

 ただ、僕はかなり気持ちを奮い立たせないと社交性を発揮しないタイプだ。僕世代の言い訳の頂点に「やる時はやる」という言葉がある。本気になったらどうにでもなるという根拠のない自信だ。僕の社交性もそんな感じだ。根拠はないけれど、その状況に追い込まれたら「たぶん頑張る」と思う。

 そこに懸念があって移住を躊躇っているわけではない。ハッキリと、行く気がないのだ。移住する思考がないのだ。僕が家族を持って暮らすと考えた時には、地方移住をイメージしてしまう。それは、今の仕事の収入では養えないからだ。でも、独り者で酒代がなんとかなるうちは暑い町で生きる。

 パンデミック状況の動向は読めないが、この夏は海に行きたい。予定はないけれど、まず格好から入るために海パンでも新調しようか。海パンを買うのはアガる。手元に新品の海パンがあるというだけで、いつか行くかも知れない海水浴へのワクワク感が湧いてくる。そこには架空のギャルもいる。

暑さが僕を水際へと誘い出すが、水との相性が悪いので何年も泳いでいない。