アンバランス・スティック

 僕は割り箸を割るのが苦手だ。無意識に割ると必ずアンバランスな割れ方をする。もともと割り箸って長さが物足りないのだが、バランスを欠くと短い上に持ち難い。全飲食店が再利用できるタイプの箸に変更すれば良いのに、今でも割り箸が幅を利かせている。誰も納得していないと思うのだが。

 エコロジー的な思考の人にはムダだろうし、僕のような割り箸苦手勢にとってはトラップでしかない。しかも、エコロジー的な気持ちは全人類が平均的に持ち合わせていると思うので、その考えに則ってみると、極端に割りを失敗した時も交換し難い。だから持ち手にムダなストレスが掛かるのだ。

 現状ある割り箸の在庫を消化しちまえば、その店は次からは割らない箸に変えてくれるのかもしれない。もしそうなら、僕のような割り下手が割りまくって、綺麗に真っ二つ割れた箸だけを使うキャンペーンをしようではないか。ハッキリ言って10回に1回くらいの頻度でしか綺麗に割れないぞ。

 また、割り箸の中には芯が腐っているのか、弱すぎて食べ物を持つだけで真ん中から折れてしまうものもある。これも、ハズレくじを引く運を持っているからなのか、かなりの頻度で出会う。その箸に当たるたびに、物凄くガッカリするし疲れる。なんだか店から「食べんな」と言われた気がする。

 ラーメン屋がもっとも割り箸が蔓延っている気がするが、居酒屋も割り箸のところが多い。僕のような食べ飲みタイプは、もう席を立つごとに割り箸を落とす。飲酒時は割り箸をムダに使うことに抵抗は皆無なので、全く気にせずバンバン使う。そして、割り下手の能力も惜しみなく発揮しまくる。

 そんな居酒屋の割り箸で気になるのは、サラダと割り箸との相性だ。割り箸でサラダを食べると美味しくない気がする。あの、加工した木材の匂いと葉物の食べ合わせが良くないのだろうか。ドレッシングが強い味だったら気にならないが、あっさり系だと際立つ。もう割り箸使うのヤメようかな。

まさに割り下手の真骨頂。大好きなラーメン屋の大嫌いな部分、それが割り箸。