過剰な宴による減量法

 僕に自傷行為の癖はないが、たまに乱暴な欲求が抑えられなくなる。一昨年から健康のために体重を90キロ未満にキープするようにしているのだが、そのためにはジョギングをしなければいけない。散歩でも良いが、部活野郎なので走らないと気が済まない。そのジョギングを数ヶ月やめている。

 走らないと体重は増える。今年の頭に計ったところ、2キロほどオーバーしていた。せっかく積み上げてきた数字が、たかがコロナ感染からの怠惰によりムダになろうとしている。そんなことを常に考えているので、気持ちよく食事を食べられない。そんなストレスが、僕のあるスイッチを押した。

 もう、食事制限や体調管理のためのジョギングなんて「どうでもいいや」と思ってしまったのだ。天気が良くて、自ずから走りたいなと思うなら走れば良い。でも、体重を目標の数字にキープするためにわざわざ走るのは無意味に思えてきた。何より、僕が行きたくない。走りたがっていないのだ。

 なんとなく食事制限の方は続いているが、アルコールを摂取した日は炭水化物は控える程度の軽い制限だ。あとはご飯をおかわりしないなどで、それにより必然的に食事の量が減る。それは楽しくない。僕の中でバランスが崩れてきた。差し迫った理由のない健康への取り組みは人の心を腐らせる。

 正月は、僕の大好きな餅が家に常備されている。餅は別腹ルールになっているので、食べまくっている。今年は3ケタ体重の50代ということになりそうだ。そうか、僕は今年で50周年を迎えるのだ。そりゃ痩せていられない。誰かに祝われるでもなく、我から半世紀祝いの宴を開催するべきだ。

 定例企画というものがある。僕の仲間たちとの飲み会をレギュラー化し、年間スケジュールに取り込んでしまえば良い。それによって動きが生まれる。動けばカロリーが消費され、自然に痩せる。そんな活発な行動により、50周年の活動がアピールできる。そして飲み会の予算管理も容易になる。

行きつけの居酒屋でゴネて作ってもらうようになった揚げ餅。とにかく美味し。