いま観なければいけない

 僕が最後に映画館で観た映画は「シン・ゴジラ」だったと思う。6年前のことらしい。事実誤認が甚だしいので確認したら、この数ヶ月後に「君の名は。」を観ていた。受け手としての勢いがある時は、集中して摂取する。滅多に行かない映画館に間を置かずに行ったのは、この時くらいのものだ。

 とは言え、ここ10年で映画館に行った回数なんて3回くらいである。この前年に観た「マッドマックス/怒りのデス・ロード」が、40代に観た映画のすべてだろう。別に映画がエンタメの最高峰とは思ってないが、何か大切なものをスルーしているような気がする。取り戻さなければいけない。

 僕が致命的にオタク気質を持ち合わせていないことは、ここで何度も説明した。でも、仕事のインスピレーションを得るためにも、また日常の刺激のためにも、面白いカルチャーは取り入れていきたいと思っている。いわゆるサブカル的な世界観のものだ。そこの「面白がる姿勢」を学びたいのだ。

 ただ、趣味的なものを「お勉強」でやっていると本職の方々にバレるので、遠巻きに見ているしかない。その最好例が映画だ。6年前の続きではないが、先の「シン」某が現在絶賛公開中である。僕の世代は直撃と言えるほどジャストではなく、かと言って無視できるほど遠くでもない存在だった。

 まあ伏せ字にする必要もないと思うので明かすと、某はウルトラマンのことである。子供の頃の僕は、あの特撮の世界をスーツアクターが演じる作り物だと知った状態で見ている。だから、怪獣のルックにアツくなれない限りは乗れないのだ。そして僕も、あのシリーズに関してはギャグ枠だった。

 小学生の頃、もんじゃ屋で友達とTVを観ていたら、ウルトラマンがビデオデッキに入っていくCMが流れた。それを観た僕が「あ、ウルトラマンがビデオに入っちゃった」って言ったら軽くウケたのだ。つまり誰も特撮にリアルを感じてはいなかったのだ。それでも、最新のソレには興味がある。

シン・ゴジラでは兵器として流用されていた電車。あの作戦は面白かった。