ラジオでタイムリープ

 数年前の同窓会で連絡先を交換した中学校時代の友達から、たまに近況報告のメールが送られてくる。そこには「先日出演したラジオが最終回になるので聴いてみて」と記してあった。忙しさを言い訳にして全然チェックしていなかったけど、彼はたまにラジオや新聞で取材されることがあるのだ。

 彼の活動については、まあ地域に密着した文化的サークル活動とでも仮称しておこう。詳しくは知らないのだが、その活動が一部で取り沙汰されて新聞やラジオの出演に結びついているのだ。それはあくまで彼の趣味で、ライフワークではあるけれど本業ではない。彼自身は大学職員だったと思う。

 その活動が僕にはピンと来なかったので、チラッと読み聞きはしていながら、熱心に耳目を傾けていなかった。だが、ラジオが最終回になると聴き、逆に「レギュラー出演者だったのかよ」と驚いたのだ。これは聴かなければバチが当たると思い、インターネットを駆使して(大袈裟)聴いてみた。

 進行担当の女性と対話しながら、サークル活動で得た専門知識を滞りなく説明する語り口は冷静で、その道の解説者然とした感じだ。その道と言っても、その活動専門の機関が彼ら以外にこの世にあるのかは不明だ。それは「方言漢字」と呼ばれる、ある地域で独自に使われる珍しい漢字のことだ。

 ちなみに埼玉県の「埼」という字は、埼玉県という表記上でしか使われない方言漢字なのだそうだ。うろ覚えの受け売りなので、合っているかは知らない。とにかく、彼がライフワークとして調べているのは、そういった珍しい漢字なのである。なんか、人生が豊かになりそうな趣味だとは思った。

 思い返すと、彼はむかしから音楽が好きだった。先日ここで記した「FMステーション」という雑誌を薦めてくれたのも、確か彼だ。だから、きっとラジオ出演は相当嬉しかったはずなのだ。そして、本人のリクエスト曲がアルフィーの曲で、中1の時に一緒に観に行ったコンサートを思い出した。

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こういう農業用水路で遊ぶのは子供だけなので、なんとなく懐かしくなる写真。