わたし失敗するんです

 数年間使っているスマホの液晶をガードするガラスカバーがヒビ割れていたので、思い切って剥がしてみた。今まではダメージ加工されていたような画面がスッキリ綺麗になった。でも僕はスマホをよく落とすので、やはりカバーは付けておいた方が良いと考え、近所の家電量販店に買いに行った。

 朝イチから歯科クリニックの予約を入れていたので、その足で電器屋に行くことにした。なかなか治らない虫歯にイライラしながら、その気分を払拭させるべく買い物に向かう中年男。そこでハタと考えたのは「電器屋に売ってるよな」という心配。スマホのアクセサリーコーナーがあったはずだ。

 開店直後の店に行くのは怖い。準備でバタバタしていたり、ヘタをすると朝礼が終わってなかったりするからだ。開いてるから入ってきた善良な客が、店側の理不尽な圧に遠慮させられる構図が腑に落ちない。そんなブルーな気持ちになるのが怖いのだ。その上、求める商品があるかも分からない。

 結論から言うと、開店して間もない店内とは思えないほど通常営業だった。そしてアクセサリーコーナーは想像通りの場所にあった。すこし古い型のスマホを使う僕の最後の懸念、合う型があるのか問題も杞憂だった。そこで真ん中のグレードの保護フィルム(正式な呼び方はこっち)を購入した。

 家に帰って早速その保護フィルムを貼り付けようと思った。包装を開けて中を見ると、かなり面倒な手順が書かれている。あまり説明書を読まない僕だけれど、これはどうやら読まないと貼れないようだ。視力が衰えてきたので手順を凝視してみたが、視力のせいではなく単純に理解できなかった。

 時間をかけて読み解くと、どうやら何回か貼って剥がして装着されるらしい。序盤は順調に進めていったが、最後のシートを剥がしたところで違和感があった。まるで何も貼られていないような仕上がりだ。よくよく見ると、貼れていない。失敗してしまった。朝から無駄な出費をしたものである。

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店頭で型式を確認するためにスマホを持っていたら、勝手に撮っていた写真。