これが世界と君は言う

 音楽配信サービスにより、最近は新旧かまわず興味の赴くままに音楽を探せる。店頭で買っていたときは商品を店員に見せなければいけないわけで、その瞬間に「ミーハーだな」とか思われたら嫌だなと思うこともあった。それでも自分が好きだから買うのだが、モノによっては確かにミーハーだ。

 古いアイドルソングなどは、サブスクだからこそ聴きまくれる。買うまでもないと思うのだが、むかしから好きなアイドルの曲はあるし、良い曲は手元に置きたいと思う。でも、ソフトを手に入れようとすると、ベストアルバムになる。すべての曲が好きなわけじゃないので、それでは過剰なのだ。

 最近のお気に入りは田原俊彦の「It's BAD」という曲だ。この曲は久保田利伸の提供曲で、彼のエッセンスであるブラックミュージックのテイストが効いている。明確にラップという感じではないのだが、トシちゃんにしか出せないファンキーさがあって好きだ。そして、サビのメロにグッと来る。

 あと、僕が自発的に買った最初のCDはバクチクの三枚目のアルバムなのだが、その後は洋楽にかぶれて聴かなくなっていた。でも、動画投稿サイトなどで現在の活躍をチェックしていると、ちゃんと追い続けていても良かったなと思ってしまう。パラレルワールドの僕は、バクチクの追っかけだ。

 そんなバクチクの曲を、仕事をしながら1日中流し続けていたことがある。ビジュアル系などというジャンル分けは不要で、完全にバクチク的な世界を築き上げていた。アルバム毎に変化はあるのだが、通底する雰囲気が圧倒的にオリジナルなのだ。そして、中学生の頃のイメージとも変わらない。

 そのバクチク三昧の日に見つけたのが「NEW WORLD」という曲だ。2016年発売の『アトム未来派 No.9』というアルバムに収録された曲で、気に入り過ぎて毎朝起きる時に目覚ましがわりに聴いている。時空を超えて再び僕の前に現れたバクチク。今度は僕がライブ会場に足を運ぶ番だろうか。

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四半世紀前のサダルストリート(印・コルカタ)。再訪したい、したくない。