タイムマシーンは要らない

 40代に入ってからの僕は、ときどき無性に昭和歌謡や80年代の日本の音楽を聴きたくなる。単に懐かしいということもあるのだが、知らない旧い曲を見つけてシンプルに良いなぁと思うことも多い。自分が好きになる曲の傾向を時系列に辿ってみると、意外な共通点があったりして面白いのだ。

 例えば作詞・作曲の顔ぶれが近かったり、プロデュースというか制作に関わるメンツが同じだったりするのだ。当時は音楽ビジネス自体がもっとコンパクトで、同じ人がいくつも掛け持ちしているということもあったかもしれない。それでも、僕の音楽趣味には、多少の偏りがあるような気がする。

 それらの過去の名曲たちは、僕の趣味に過ぎないのかもしれないが、現代でも通用する普遍的な良さも兼ね備えていると思う。もちろんアレンジなどは現代仕様に直さなければいけないものもあると思うが、誰かにカバーさせることで新しい命を吹き込まれる曲もあるだろう。そんな妄想が好きだ。

 今朝、ジョギングをしながら、僕の脳内ウォークマンシーナ&ロケッツの「ユー・メイ・ドリーム」を流していた。この曲をアイドルがカバーしたら、可愛くてカッコ良く仕上がりそうだなぁと想像した。当時の制作陣でもある細野晴臣さんがプロデュースしたら、さらにゴキゲンになりそうだ。

 こういう妄想は止まらない。僕が昭和歌謡ネットサーフィンで見つけてイチバン気に入った中村晃子の「虹色の湖」は、当時のグループ・サウンズの雰囲気を取り入れたサイケデリックな名曲だ。同時代的には似たような曲が多数あったのかもしれないが、後年から俯瞰すると突出した曲に思える。

 この曲を、現代のバンドをバックに、これは実力派シンガー的な女性に歌ってもらったら蘇りそうな気がする。クレイジーケンバンドとか、演らないかなぁ。ってなことを考えながら走っていたら、強めの向かい風で走りにくかったことも忘れてアッという間に時間が過ぎた。これも音楽の効果だ。

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バンドの編成は3ピースが理想だが、最近はホーンセクションを欲している。