変わるもの変わらないもの

 昨年まではほぼ週1ペースで通っていたラーメン屋に、今年になって初めて行った。いや違うか、昨年は僕の減量キャンペーンで月1くらいにペースダウンしていた。それでも定期注入したくなる慣れ親しんだラーメン屋だったのだが、すっかり疎遠になってしまったのはクルマを処分したからだ。

 我が家には軽自動車が1台あるのだが、基本的には父親が乗っている。いつでも使って良いとは言われているが、父親がまだ通勤などで使っているので都合が合わない。それで行きつけのラーメン屋にも行けなかった。それが、昨日はたまたまクルマが空いていたので、それを借りて向かったのだ。

 3ヶ月ぶりくらいだろう。相変わらず停めにくい駐車場にクルマを置いて、店に入ると雰囲気がガラッと変わっていた。まず、券売機が設置されていたことに驚いた。券売機の導入には賛成だが、ここでは席に着いてから「何にしようかな」と悩むことも楽しみのひとつになっていたことを知った。

 失くしてから分かることは多い。閉店してから「好きだったのに」と思う店は多いし、引退してから「応援してたのに」と思うプロスポーツ選手も多い。でもそれは、その時に気付いているのだ。実際に営業中や現役の時には、ほとんど意識してない。それを、いざ辞めた瞬間に惜しむのはズルい。

 昨日のラーメン屋は改装もしていたので、まだまだ長く続けようという意志を感じる。改装の際に数週間ほど休んでいたらしいが、味は変わっていない。人気もあるので大丈夫だとは思うが、個人経営の飲食店は店主の健康に左右される。顔色は良さそうだったので、その点でも問題はなさそうだ。

 何も考えずに、たまたまクルマが空いていたから行った昨日が、その改装工事が終わってリニューアル再開したタイミングだったらしい。その偶然に嬉しくなって、やっぱりこの店とは長く付き合いたいなと思った。味が好きなだけじゃなく、何かしら縁を感じる場所は大事にした方が良いだろう。

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ここのラーメンは変わらない安定感と、どうしようもない濃さがあって好き。