下流に暮らす民のみの美食

 ときどき無性にジャンクフードが食べたくなる。僕にとってはハンバーガーや牛丼などがそれで、ラーメンなどはジャンクと感じない。やはり単価で千円を上回る食べ物はジャンクとは言い難いだろう。とは言え食費にはシビアな感覚を持ち合わせているので、千円以内のラーメンしか食べないが。

 先にハンバーガーや牛丼と記したが、果たして僕にとってはハンバーガーの一択である。牛丼は、というかご飯ものはちゃんとした食事なのだ。それは値段ではない。米飯で飼い慣らされた僕のソウルが「それはジャンクではない」と魂から叫ぶのだ。そうか、それなら牛丼はジャンクではないな。

 ということで、パッと思いつくジャンクフードはハンバーガーだけになってしまった。健康状態や天気、季節によっては別のものも入ってくるのだろうが、少なくとも今日現在の僕にはハンバーガーしか考えられない。そして今日の僕は無性にジャンクフードに焦がれる病に取り憑かれていたのだ。

 奇しくも我が家からイチバン近い飲食店が世界一のハンバーガーチェーン店なのだ。大きなMマークが、僕がタクシーの運転手に知らせる目的地の目印だ。もう食事制限などは解除してしまった僕だが、小さな罪悪感がリバウンドを最小限に抑えている。その抑えがストレスとなり小爆発したのだ。

 僕はいつもセットを頼む。その時期のキャンペーンバーガーにゼロコーラとポテトのLをセットし、単品のバーガーをプラス2種類加えるのが若かりし頃からのスタンダードだった。本当はそうしたいのだが、胃袋が老化してキツくなってきた。なのでセットのポテトをMにするところから変えた。

 でも、バーガーを追加するクセは抜けない。セットのバーガーがビーフならサイドの単品はチキンにするなど、飽きないよう工夫する。それが満足感を得られる適量だと思っていた。今日も手癖でそんな注文をしていた。テイクアウトして家で食べたのが2時過ぎ。現在19時だが空腹の気配なし。

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かつては滝のように秒で消化していたのに、今は山のように居座っている。