アクアテラリウム移住計画

 むかしからリクガメが好きだ。あのゴツゴツしたフォルムにグッとくるのだ。できれば飼いたいが、巨大化しそうなので場所を確保できない。もし飼うとしたら、中庭を大きなアクアテラリウムに改造したいところだ。ちなみに我が家には中庭などないし、池なんか作ったら蚊が大発生するだろう。

 水場と陸を行き来するような生物を飼いたい願望は子供の頃から持っていた。多くの子供と同様にクワガタに熱中していたが、本当はリクガメや両生類などの方が断然魅力的だった。そういう生物が生息するエリアへの憧れもあったと思う。南米のジャングルや東南アジアの熱帯雨林などがソレだ。

 もっと、ああいう世界への具体的な憧れがあったのなら「冒険家を目指そう」なんて夢を持ったのかもしれない。でも、彼の地は不便そうだし、暑そうだし、不潔そうだ。だから、子供の段階では具体的に「夢」として考えたことはなかった。ただ、なんとなく「いつか」などと夢想したくらいだ。

 僕がいい歳して動物園に定期的に行くのは、檻の中に作られたテラリウム的な世界を参照するためでもある。ただ、動物園は動物臭が強いので、理想と現実のギャップにむせる。生物というのは生きるために食べるわけで、食べると消化するのは必定。生き物を飼うのならば、匂いは不可避なのだ。

 先日、ニシキヘビが逃げてなかなか捕まらないというニュースが出た。この世にヘビが苦手だという人は意外と多い。キュウリが嫌いな人と同じくらいだろう。僕は、ヘビに関しては造形美のようなものを感じていた。それに、僕が幼少期に住んでいた地域で野良ヘビを見ることも少なかったのだ。

 ところが、我が家が2度目に住んだ家にはヘビが出現したらしい。当時は知らなかったが、先日ニシキヘビのニュースを見ながら母親が「そういえば」と話したのだ。確かに今の家と比べれば川には近い。川にはヘビ以外にもクロベンケイガニという雑なカニが大量にいる。あの手のカニは苦手だ。

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これは日本でイチバンはんなりした川沿いの風景。やはり水辺は魅力的だ。