パンダと中年の白昼夢

 音楽フェスなどに行く際は、聴いたことはないけれど名前だけ知っているようなアクトを事前に調べたりする。予習というヤツだ。そうすると意外と知っている曲があったりして、なるほど「いま売れているんだな」と実感するのだ。でも、そういう風に調べている人間は想像よりも少ないものだ。

 どうせ観るなら(聴くなら)事前に曲を知っていた方が楽しめるってことは、ここ数年で音楽フェスに行くようになって思い知ったことだ。確かにライブで初めて聴いて衝撃を受ける楽しみ方もある。でも、それは持続しないというか、その衝撃だけを家に持ち帰られるほど僕の記憶力は良くない。

 これが、事前に近年のアルバムやライブのセットリストをチェックしておくだけで、印象に残る度合いはだいぶ違ってくる。こちらも能動的に楽しめるし、ライブパフォーマンスに意味を見出すことができる。フロントマンがなんであんなことを言ったのか、そういう事情を理解できるのは大事だ。

 てなワケで本日は、酒場の仲間にレコメンドされて以来ずっと通ってきたパンダ音楽祭というこじんまりとしたフェスに行ってくる。出演するのはいつメンという感じなのだが、それでも近況をチェックしておいた。イベントのホームページに、各人の新しい動画が貼ってあるのも気が利いている。

 僕は後追いなのだが、サニーデイ・サービスというデイサービスの会社みたいな名前のバンドが好きだ。サニーデイを知ったのは、職場の女の子がカラオケで「青春狂走曲」を歌ったのが最初だった。その子は特に歌が上手というワケじゃなかったのだが、内面の情熱のようなものは伝わってきた。

 そのサニーデイのフロントマンである曽我部恵一さんが、このイベントの初回から出演し続けている。僕がイチバン好きなサニーデイの曲は「ベイビーブルー」だが、この曲を演奏してくれた時は先に帰ったので聴けなかった。このイベントは今回でラストらしいが、今年は演ってくれるだろうか。

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上野・不忍池の近くにある野外音楽堂が今日の会場。刹那の楽しみを求めて。