論点の軸をソラスメント

 フリーランスの朝は遅い。急ぎの仕事がないときは、寝床でダラダラと午前中のワイドショーを観てしまう。そんなボンヤリした意識の中で、しょうもないトピックスに心の中(時には独り言として)でツッコんでしまう。そのツッコミが逆に自分を刺してしまい、急いで寝床を飛び出す時もある。

 寝ながらTVに向かってツッコむ様が寒々しく感じられるのだ。別に誰に迷惑をかけるわけでもないのに、その姿を幽体離脱した自分が上から眺めてゾッとするのだ。ひとりで過ごしている時の客観視は要らんな。自己嫌悪に陥るだけだ。もっと無心になるか、目覚めたらすぐに起きるのが賢明だ。

 すこし話は逸れたが、そんな朝のワイドショー番組で「フキハラ」と言う文言が取り沙汰されていた。不機嫌ハラスメントだそうだ。職場に常に不機嫌なヤツがいたら迷惑だが、それは広義のパワハラモラハラと同じニュアンスだと思った。だが、そこで扱われていたのは家庭での不機嫌だった。

 この情報ソースはネットでの小さな提言に過ぎないので、別に一般的に浸透しているわけではない。だから、そもそも「変じゃね?」と投げかけるために扱ったとも感じられる。または、世間話のタネを提供しているのかもしれない。これだけ雑多な情報を個人で掘れる時代に無駄なことと思うが。

 僕がその小コーナーを観て思ったのは、不機嫌をハラスメント化されたら困るなということだ。僕も機嫌が悪いとイヤな雰囲気になる。それは酒で溶かすか、タイミングが良ければスポーツで発散させる。でも、ほとんどの不機嫌はうやむやに消える。いまは酒場で散らせないから溜まるんだろう。

 そのコーナーの落とし所が「人間自体が不機嫌な感情を持った動物なので、お互いを尊重して感情をコントロールしよう」的な締め方だったと思う。正論だと思う。でも、これはコロナ禍の派生的な問題として提言されたもののようにも感じた。ただ、何でもかんでもコロナでは面白くないもんね。

f:id:SUZICOM:20201215104328j:plain

番組内で「猫はいつも不機嫌」と言っていたが、野良猫はもっと気ままだ。