心にもない言葉、心ない言葉

 自分の感情を理性でコントロールしていると思っても、ときどき制御が効かない時がある。売り言葉に買い言葉的な、条件反射のような反応で暴言を吐いてしまうことがある。そんな言葉を吐いても、すぐに暴走していることを察知して気持ちを収めようとする。でも、なかなか収まらないものだ。

 平常時では暴言は履かないとは思うが、疲れている時とよった時には制御が甘くなる。疲れている時は、心の声が口から漏れちゃうのだ。職場で、頼まれた仕事が面倒だったりすると、つい「これ意味あんのかな」と呟いてしまう。ただ、その呟きは小さな反抗でもあるので意図的だったりもする。

 酔っているときは、もう全然脈絡がない。ランダムな思考と人との会話が偶然重なって、会話の流れと全然関係ないことを言ったりする。別のことを考えながら話していて、頭の中で感情が激っているのを、会話の相手にぶつけたりしてしまう。完全な誤爆だが、酔っているので即時回収できない。

 すぐに我に返るのだが、その激ったプロセスを説明するのは不可能だ。自分でもランダムな思考を再現できない。それを人に伝えることもできない。だから変な言い訳をしているうちに、再び感情が高まってしまう。ほとんど怒っている人みたいだ。昨夜もそんな感情の誤爆があり、現在猛省中だ。

 こういうことがあったときは、早めに再訪するのが得策だと思う。でも前日のことは覚えてないふりをしてごまかす。それで、通常の自分をプレゼンすることで安心してもらう。場が和んだら、昨日の会話の相手に「最近よく記憶を無くすんだ」と言う嘘をついて、前日の一部始終を教えてもらう。

 これは自分への罰だ。暴走した自分のことを客観的な言葉で分析してもらう。セラピーとでも言うのか。ただ、大体の人は優しいので「別になんでもなかったよ」と言ってくれる。その優しさが痛い。本当は覚えているのだから、自分の様子が変だったことはわかっている。今日は1日、反省の日。

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酒場で問題行動マンに変身するのは、いつだって二軒目だ。