ゲット・タフ

 仕事で腑に落ちないことがあっても、終わってしまうと忘れる。スッキリ忘れるというよりも、終わった仕事の気持ちに戻りたくないと思ってしまう。せっかく終わったのに、また、その忙しい感じになるのが嫌なのだ。ギリギリまで忙しく取り組んでいるので、最後は放り投げてしまいたいのだ。

 全部の確認を終えて、納品する段階では忘れはじめている。だから、直後に再確認とかで連絡が入ると気が滅入る。それがこちら側のミスであれば対応しなければいけないが、先方が納入したブツを放ったらかした挙げ句「なくなっちゃったので再納品よろしく」ってことが多いので腑に落ちない。

 データをネット経由で送るので、輸送に運賃はかからない。それで先方も甘く見て「どうせタダなんだから」と頼んでくる。でも、その小さな手間のことは何とも思っていないのだ。フォルダを圧縮してサーバにアップしてメールで送る。まあ行程はこんなものだ。それでも人間が動いているのだ。

 これが、仕事の途中でのデータのやり取りならば気にならない。終わってから「戻される」のが嫌なのだ。足の遅いヤツにしがみつかれて走っているような気分だ。元気な時なら「オンブしてやろうか」と言えるのだが、僕は完走したばかりで疲れているのだ。つまり、イチバン優しくない状態だ。

 寒くなると家に閉じこもるタイプだが、休日のテレビの画面ではよくマラソンランナーが走っている。長距離走が苦手だった僕は、練習で走るのが嫌いだった。短距離をインターバルで走るのは耐えられるが、ひたすらグラウンドの外周を走るのが苦痛だった。同じペースで走ると飽きちゃうのだ。

 それでも部活を続けていると、走ることに慣れてくる。で、ある時ふと「いくら走っても疲れない」ことに気がつくのだ。今では疲れるまで走れない。そう思うと、いくら走っても疲れない状態をもっと突き詰めれば良かったと思う。そうすれば、もっとスタミナアップしたタフガイになれたかも。

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パワー補充のためにラーメンにネギをトッピング、煮玉子はサービスで追加された。