毎日が前言撤回

 週の頭に誓った「断酒」というか、酒場に「あまり行かないようにする」という宣言は、昨夜もろくも崩れ去ってしまった。予算内ならば良いだろうと、安易に考えているのである。こういう積み重ねが年末の最後に響いてくるとも知らずに、いや、知っているのにやめられないのだから仕方ない。

 昨日の段階で酒場への立ち寄りを許した僕の頭にあったのは「水曜だけは外で軽く飲むことを許可する」という妥協案だった。これまで僕は、基本的に「火・木の男」として、週に2日は酒場に行くことをよしとしていた。それが結局、週の半分以上を酒場で過ごすことになるのだから危険なのだ。

 ひとつを許せばなし崩しになるのが、弱い僕の心の仕組みだ。当初の予定では、まず「1週間は我慢してみよう」というプランだったのだ。それが3日ともたなかった。逆に、反動で連日通うようになってしまいそうな予感もある。僕の依存はアルコールではなく、場所にあるというのは明らかだ。

 家が仕事場でもあるので、外部で仕事がない時は家で仕事している。それが続くと、自分の体を衛星から見たらほとんど移動していないことになるだろう。自然な欲求として外出したくなるのだが、この歳で友だちの家に遊びに行くのも変なので、行き着く先は馴染みの酒場と相場は決まっている。

 別に僕も、酒場を禁じたいワケじゃないのだ。ただ、年末の雑な出費に備えて序盤は控えておこうというだけの話だ。一応ザッと試算したら心許なかったので、先手を打ったというに過ぎない。このように記して行くと、最後は「今夜も飲みに行くか」と落ち着いてしまいそうな自分が怖いのだが。

 昨夜、酒場で職種の近い人と話をしたらスッキリしてしまった。いつも誰かに会って、心の安らぎを得れたり、バカみたいに笑ったりできる。大人には帰りに寄れる駄菓子屋なんてないので、酒場はあった方が良い。なくても大丈夫だけど、見つけてしまったら素通りできないのは仕方ないことだ。

f:id:SUZICOM:20191114084930j:plain

僕が酒場を出すのなら、無愛想な店を路地裏にひっそりと出したい。