節約クリエーション

 取り引きしている会社の入金日が翌々月末なことが多いので、今やっている仕事のギャラが入るのは来年のことになる。それにしたって、先方の台所事情によってはさらに翌月に回されたりすることも稀にある。だから、忙しい時ほど手持ちの金はなかったりする。つまり、年末は厳しくなるのだ。

 この時期はどの会社も忙しくなるので、猫の手的な臨時の戦力として仕事を頼まれる。このタイミングで細かい仕事を拾っておけば、翌年の細々とした受注にも繋がる。そう思って引き受けるのだが、当面の資金は持ち出しなので、徐々に厳しくなる。僕にとっての厳しさとは酒場に行けないこと。

 ただ、節約に乗じて酒場を断つことで、健康と無駄な出費を抑えることができる。ガマンも癖になれば、それが苦にはならなくなる。そうすれば自動的に金が貯まるシステムになる。たくさん貯まるほどの入金はないのだが、確実に減る費目の分は蓄積されるだろう。その額を知りたい願望がある。

 それでも、心の中では酒場に落とした金額を知りたくない気持ちもある。野暮だってこともあるが、その額が収入に占めるパーセンテージが怖いのだ。絶対に5割以上は飲み代に消えていると思われるので、それを数字で見せつけられるのは耐え難い苦痛だし、きっと嫌な計算をしてしまうだろう。

 その額を酒場に通った年数で掛けて、合計で買えたものと比較してしまうのだ。でも、そんなことをしても無意味なのだ。僕の生活から酒場通いを引いてしまったら、その生活は無味乾燥で味気ないものになってしまう。それを補って余りある「何か」があったなら、酒場は要らなかったワケだが。

 とはいえ、とりあえずの緊急避難として、しばらくは酒場を断つことに決めたのだ。試算したところでは、この年末の酒場軍資金は3万円ってところだろうか。忘年会などの宴会費で消えてしまう額である。とても、酒場に落とせる余剰金はない。その代わり、酒場に行かない時間を自由に使える。

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大好きな立ち飲みフラリ寄り道も、年末はガマン。写真見て家飲み。