有限のGと無限の星たち

 いま世界で流行っているウイルスは変異を繰り返して、その性質が強いもの、感染力が高いものには呼び名が冠されている。コードネームのようなものだが、それらはギリシャ文字の呼び方から取られている。アルファベット的なものなので限りがあると思って調べたら、全部で24文字だそうだ。

 それだけで足りるのかと思うかもしれないが心配ご無用、ギリシャ文字を使い果たしたら星座の名前にシフトするそうだ。どこまで変異していくのを追いかけなきゃいけないんだとウンザリしてしまうが、学術的にはこの手の研究はずっと続くのだろうから我々が星座の名前まで見守る必要はない。

 ただ、星座の名前はかなりカッコいい。もしペガサス株なんてものが流行したら、ちょっとゾクゾクしてしまう。アンドロメダ株なんて、それに感染したら一巻の終わりな最強感があるじゃないか。おそらく名付け機関が配慮して、シンプルで必要以上に不安を煽らないネーミングにするのだろう。

 それ以前に、この感染症への配慮社会が早く収束に向かってほしいものだ。ギリシャ文字を使い果たして星座の名前になりました、なんてニュースを聞きたくない。いや、聞いても良いけれど、その時には薬や医療体制の拡充など、コチラも打つ手を持ってる状態になっていることを祈るばかりだ。

 そういえば変異株の呼び方は、最初はそれが発生したエリアの呼称だった。途中からギリシャ文字に変えたのは、その地域が差別されないように配慮したらしい。その考え方で言うと、よくギリシャはそれの使用を許したなと思ってしまう。ギリシャの寛容さが変異株呼称の落とし所になっている。

 作家・森博嗣の小説にGシリーズというのがある。最近その最新作である「Ψ(プサイ)の悲劇」という文庫を買ったのだが、まだ読んでないので楽しみだ。今のところプサイ株というのは聞いたことないが、ギリシャ文字の順番でいうと最後から2番目になり、最後はω(オメガ)になるそうだ。

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先週末に買った3冊。左から読み始めて、今は真ん中の町田康。グッド読書。