刑事ドラマと世の流れ

 刑事ドラマで誘拐事件が起きると、犯人から身代金要求の電話がかかってきて、その電話を刑事が逆探知するシーンが必ず描かれる。最近のことはわからないが、僕が観た刑事ドラマのなかで逆探知が成功する場面は見たことがない。いや、逆探知自体は成功しても、それで逮捕できたことがない。

 現代だと、犯人からの電話を解析しようとすると必ず「トバシの携帯」が使われているという。持ち主を特定できない携帯だ。逆探知もトバシの携帯も自分の生活の中には登場しないツールだ。それでも、ドラマでそれらが出てくると当たり前のように理解している。TVに刷り込まれているのだ。

 あと、ドラマの誘拐事件では、現金の受け渡しでいろんなところを転々と走らされることが多い。行った先々にある公衆電話が鳴っていて、犯人から次の場所の指定が入る。あのシーンを何度も見ているせいで、街の公衆電話が鳴っているとビックリする。いま思えば出てみればよかったと思うが。

 公衆電話の電話番号をどうやって調べるのかと思って検索したら、電話によっては裏に電話番号が記載されているという回答を見かけた。なるほど。今度友達にドッキリで公衆電話に電話かけてみようかなと思ったが、今は公衆電話なんてほとんど見かけない。くだらないイタズラをせずに済んだ。

 ドラマの中でも言い訳のように言われることだが、誘拐というのは成功率の低い犯罪だそうだ。でも、誘拐犯が初手で必ず言う「警察に知らせたら人質の命はない」という脅迫の言葉に従って、本当に言わないで知らないうちに成功している例もあるかもしれない。そんな意見もネットで見かけた。

 逆探知の話に戻るが、僕の家が黒電話だった頃だが、友達がイタズラで110番に電話をかけた。友達はすぐに切ったのだが、すぐに電話が鳴った。その電話は警察からで、僕は「イタズラはやめなさい」と怒られた。あのレスポンスなら逆探知なんて絶対に成功しそうだと思ったのを覚えている。

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刑事ドラマの取調室と言ったらカツ丼だが、僕の出前の定番はカツカレーだ。