ルーフトップは立入禁止

 学園ドラマでは、よく校舎の屋上のシーンが出てくる。落ちこぼれの溜まり場だったり、ラブコメでの告白シーンだったり、いじめられっ子の避難所だったりと、用途は多様だ。実際の学校では屋上に上ることはほぼない。卒業写真の撮影などで開放されるくらいで、基本的にはいつも立入禁止だ。

 学校の屋上に上れるというのは、その人間が特別な存在か、または管理が杜撰な荒れた学校のイメージなのかもしれない。前者のパターンは屋上のカギをコッソリ持っているとか、または教師の弱みを握っていてカギを自由に使えるなどだ。後者の方は、ヤンキー漫画でよく見られるチート設定だ。

 不自由な学校生活の中で、唯一自由に近い場所みたいなメタファーなのかもしれない。本当は学校なんか行かないで引きこもっていた方が自由なのだが、それを自由と言ってしまうと働き手がいなくなってしまう。とにかく、学校の屋上の場面はドラマで頻繁に見るが、それは現実と乖離している。

 大学生の頃、授業のない夏の日に、部活の先輩に屋上に呼び出された。別に「気に入らねぇからぶっ飛ばす」などと脅されたわけじゃなくて、屋上で日焼けするから一緒に来いとのことだ。屋上に行くと、サンオイルでテカテカのムキムキマンが数人、バスマットの上で寝そべって体を焼いていた。

 大学の屋上は、普通にビルの屋上みたいな感じだ。僕の大学ではマウスを検体にした実験があったらしいので、その供養のための神社的なものがあった。その他には屋上の定番である貯水タンクも見られた。見晴らしは良く、遮るものがないので日焼けには良い。でも、僕はジッとしていられない。

 そういえば、高校までは施錠されているのが当たり前の屋上だったが、大学では普通に出入りできた。実験などで屋上を使うこともあるのかもしれない。僕が一般の学生なら、間違いなく定番の居場所にするだろう。でも、体育会系には部室があるので、すでに居場所は用意されている。不自由だ。

現実の世界での溜まり場といえば喫茶店になるのか。良い名前の喫茶店を発見。