ビールとコーヒーの午後

 いま時期は日に日に厚着になる。寒さが出不精に拍車をかける。それでも、今日は天気が良かったので、午後に駅まで散歩した。晴れているので、歩いていると体温が上がってくる。暑がりなので薄着で出てしまったのだが、さすがに汗はかかない。駅の近くに着く頃には、全身が冷え切っていた。

 今日は、よく行く居酒屋が昼から開けていると聞いていた。顔を出すと店前でフリマをやっている。店主の兄弟や甥っ子姪っ子が手伝っていて賑やかだ。並ぶ商品は、食器や子どもが手作りした小物類などだ。そちらには興味ないのだが、一応なにか見るフリをした。そういう気弱なところがある。

 はじめから酒を飲むつもりで来たのだ。ビールを頼んで、座席から店先を眺めていた。天気のいい午後に子どもたちのはしゃぐ声。夏休みのワンシーンのようだが、季節は晩秋というか初冬というか。とにかく寒い。ビールが腹を冷やす。熱燗でも頼もうかと思ったが、3時には店を閉めるという。

 残り時間を算段すると、せいぜいあと一杯くらいしか飲めそうもない。でも、寒いからビールやサワーなどはキツい。すると、目の前にあるホワイトリカーにコーヒー豆を漬け込んだコーヒー焼酎が存在を主張してきた。いつもロックで飲んでいるが、これをお湯割りしたらほぼホットコーヒーだ。

 店主にお湯割りを頼むと、すぐに熱々のコーヒー焼酎が供された。確かにコーヒーの芳香はお湯割りの方が強いが、アルコール感もしっかりある。グビグビ飲むと悪酔いしそうだが、熱いのでチビチビとしか飲めない。ゆっくり飲むと決めて、午後の弛緩した時間に身を委ねた。こんな休日も良い。

 いつもの日曜日は酒場が開いてないので、休肝日として家に籠ることが多い。家にいるとつい仕事に手をつけてしまうので、休めない。無理やり外に出ると、出先で買い物などをしてバタバタしてしまう。散歩して、ちょい飲みして帰る。こんな時間の過ごし方が理想だ。これから日曜日は休もう。

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近所に散策するに足る庭園でもあれば休日は楽しめるのに。写真は兼六園