にわかハイスクールデイズ

 僕が所属している草野球チームは、高校の同級生が作った同世代ばかりのチームだった。最近では人数が集まらないので、若い助っ人を呼ぶことが多い。それでも、年に一度くらいは同級生の割合が多い日がある。今日の試合では数年ぶりのメンバーが顔を出し、久しぶりに同窓会の様相を呈した。

 そもそも、この草野球チームの存在意義がそこにある。高校を卒業してバラバラになった同級生に、集まる口実を与えるための野球チームなのだ。この場をキッカケに会える場所があれば、長く付き合えるというものらしい。僕は30歳過ぎてから入ったので、その辺の初期の理念などは知らない。

 当初は野球部中心ではなく、学校帰りに溜まり場に集まる連中を中心にチームを作ったらしい。高校を卒業して間もなくチームを作ったらしいので、その頃の活動は今よりも盛んだったのだろう。その中で誰かが結婚したり、子供ができたりの関係性の変化や家族同士の交流などもあったのだろう。

 今日は創設メンバーの一人が家族を連れてきた。他の仲間は家族ぐるみで知り合いなので、そこにはホットな交流が生まれる。僕は全然知らないので、そういう時は無理に絡まず、でも疎外感を感じたくないので、交流の外にいる仲間を探して話しかける。みんな察しが良いので付き合ってくれる。

 そのチームのメンバーには高校3年生の時のクラスメートが多い。聞いた話だと、その時の同級生で飲み会をした時に野球部結成の話がまとまったそうだ。そういう付き合いから離れていたのは、僕が高校卒業後すぐに大学ラグビー部の寮に入ってしまったからだ。そこで関係が断絶してしまった。

 だから、同級生が集まるとあの頃の気分をトレースするような錯覚がある。よく考えると、高校時代も特別に親しかったわけではない。それでも、同じ空間にいたことのある人間に感じる親しみは大きい。そんな青臭い気分を満喫した日曜日だった。ちなみに本日は今年の最終戦で、結果は負けだ。

f:id:SUZICOM:20211101083045j:plain

高校時代の溜まり場は駄菓子屋ゲーセン的な店だが、不健康な暗さはなかった。