ふとんのチキンレース

 急に寒くなった。10月はまだ暑いという持論を持つ暑がりの僕だが、それでも本当に秋が深まってきたようだ。ちゃんと寒い。涼しいを通り越して寒い。数日前までは自転車で駅まで行くと汗ばむくらいだったのに、もう上着を着ないと出歩けない。だが、電車内は暑いので気をつけた方が良い。

 こちらは服で温度調整をしている。電車内は混んでくると人間の体温でホカホカする。時期的に秋だとエアコンが止まっていたりする。そうなると、こちらの発汗スイッチが入ってしまう。もうちょっと空いてる段階で上着を脱いでいたら平気だったのに、満員状態になってからでは脱げやしない。

 いや、話が逸れた。そうそう、最近めっきり寒くなってきた件である。僕は暑がりだし、寝汗もかくので、眠っている間にはだけていることが多い。昨日までは毛布だけで過ごしていたが、明け方の寒さは毛布にくるまっても震えるほど。これは、いよいよ掛け布団を出さなければいけないようだ。

 このタイミングを逸して、毎年季節の変わり目に風邪を引いてしまう。このご時世では迂闊にクシャミもできないので、今年は例年よりも早めに対策することにした。だから、布団を出した。でも、さっき押し入れから出したまんまなので、なんかホコリっぽい。天気が悪かったので干せなかった。

 ただ、なぜ毎年風邪を引くほど毛布で我慢するのかと言うと、朝の冷気に震えながら毛布の中を温める作業が好きだからだ。夜の間に冷え切った体が、小刻みに震えながら熱を持ち始める姿は、死にかけて蘇るような気分を味わえるのだ。その命がけの遊びができないのは、ほんの少しだけ寂しい。

 今朝が、今年最後の毛布プレイだった。あの蘇りの感覚は、しばらく味わうことはできないだろう。いや、現在の寒さはそのレベルではないので、今年はその季節が終わったということなのだろう。僕にとっての秋の風物詩が、あの明け方に震える命がけの遊びだった。もう冬の準備の季節なのだ。

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猫を飼う気はないが、飼い猫が布団に入ってくるのは暖かそうで良いなと思う。