配置転換を受け止めて

 去年のシーズン途中から、ずっと横浜の最後を締めてきた三嶋一輝投手が、とうとう配置転換になってしまった。もともと先発からリリーフへと移動になり、そこで実績を重ねて抑えの切り札として抜擢された。今年に入ってから何度か救援に失敗していたが、先週の巨人戦を最後に移動となった。

 勝ちパターンから、どんな場面でも投げるリリーフ投手への移動だが、ファンとしては心強いものがある。途中で出てくる三嶋の安定感は大きい。昨日も負けている場面で出たが、中軸の厳しい相手を3人で抑えた。その背中を意気に感じて打線が大爆発する、ということは残念ながらなかったが。

 シーズンを通してずっと注目して見ていると、単なるスポーツ中継ではなく、そこには人間のドラマがある。完全ノンフィクションの人生を賭けたドラマだ。多くは語られることはないが、昨日の三嶋の表情から胸の内を考えてみる。配置転換の悔しさとか燃える闘志が滲んで見えないか観察する。

 残り試合数を考えると、今シーズンはBクラスで終わりそうな気配が濃厚だ。最後まで諦めない姿勢を見せて欲しいが、諦めれば毎試合ごとの一喜一憂から解放される。でも、まだまだ心を揺さぶって欲しい。序盤の沈んだ状況から見れば現在のチーム状態はかなり良いので、攻め時だと思うのだ。

 そう考えると、中盤で三嶋がリリーフとして抑えられるというのは攻めの起用とも言える。抑えには、去年の途中までは圧倒的な守護神として居座っていた山崎康晃が戻ってきた。まだ完全復活という感じではないが、それでもこの新体制で残りのシーズンを攻めに攻めて戦い抜いて欲しいと思う。

 今週と来週が正念場で、大きく負け越しているヤクルトとの試合が多く組まれている。ここを優位に進められれば、まだしばらくは楽しくプロ野球を見ていられるのだ。昨日の試合を落としてしまったので、今日はぜひ取ってもらいたい。この時期に連敗すると沈んでしまいそうだ。チームも僕も。

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大船の観音様が見守ってくれていると思っても、なにひとつ安心感はない。