荒くれ大反省会

 昨日、帰りのバスの中でずっと電話している女性がいて、心の中で「うるせえなぁ」と思っていたら、そのままの文言が口からもれた。そのバスに乗る際、入口で彼氏と別れ際の名残惜しタイムを満喫していた人間がいて、その際も「邪魔だよ」と声かけた。同じ人に2度苦言を呈したことになる。

 普段は他人に直接文句を言うことはない。言うべきことを我慢するのは良くないけれど、不愉快なことに首を突っ込んでも余計に嫌な思いをするだけなのだ。揉め事を避けるのは、快適な生活を送りたい僕の信条だ。全然恥ずかしいと思わない。むしろ、首を突っ込んじゃった時の方が恥ずかしい。

 ちなみに僕の「うるせえなぁ」という声は結構ハッキリと響いた。それが相手に刺さったかは定かではないが、その後も彼女の電話は終わることはなかった。聞こえていて話し続けているのなら、それは喧嘩を売っていることになる。こちらの方が正しいことを言ったとはいえ、喧嘩はしたくない。

 結局は何もなかったのだが、今になって自己嫌悪のようなものに苛まれている。若者のイチャイチャに横やりを入れる嫌なジジイ、昨日の僕の姿は周りからはそう映っただろう。バスの乗客の総意として電話での話し声を注意したわけではない。やはり、バスに乗る時の嫌な感じが残っていたのだ。

 バスに乗るのを邪魔された腹いせに文句を言ってやった、と言うわけではない。ただ、その時の小さな不快感が心にわだかまりを残しており、ほとんど条件反射的に電話の声に文句を言った。しかも、よくよく思い返してみると、その電話で話してる人間が先ほどのカップルの片方かも自信がない。

 そういえば一度も顔を見ていないのだ。向こうも暗い車内で、背の高い中年の見た目など見ていないだろう。誰に文句を言われたのかも分からないかもしれない。僕が気に病むことではない。このことで僕が心に留めておくことは、変なところで荒くれた言葉をもらすと後悔するということである。

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反省ザルじゃないけれど、勇ましい言葉を吐くのは勇気ではないと反省中。