本当に道は無数にあるのか

 子供の頃は、早く大人になりたいと思っていた。歳をとりたいわけじゃないのだが、歳をとらなければできないことがあるからだ。本当は子供にもできることなのだが、子供がやるには大胆な発想の転換が求められるような気がする。僕が大人になりたかったのは、自立したかったからだ。

 小さい家に家族4人で暮らしていたので、早く家を出たかった。別に親に対する反抗というのはなかったが、まあ、人並みに反抗期的なものはあった。でも、自立したい気持ちは反抗からくるものではなかった。どんなに貧しくても、自分だけの裁量で生きることに憧れていたんだと思う。

 そんな自立心から、高校を出たら就職しようと思っていた。ずっと勉強が嫌いだった。だから、高校受験を最後に勉強するのはやめようと思っていた。本当の社会は毎日勉強の日々だったりするのだが、そういう実地で学ぶ的なことは「できる」と自分を過信していた部分はあったと思う。

 そのままの感覚で生きていれば、今のような生活はしていなかったはずだ。ただ、高校を卒業して専門学校で勉強して就職する流れを想像できない。どこかで挫折しないと気が済まないというか、普通に就職する自分がまったく思い浮かばない。どの道を通っても今の自分になってしまう。

 高校の頃は本当に「早く自立したい」と思っていたのだ。それがどこで狂ったのかは明確にわかる。僕がその高校を選んだのは、ラグビー部に仲のいい先輩がいたからだ。その人と同じように僕もラグビーをやると思っていた。でも、その高校に入ると、僕はなぜか陸上部に入ってしまう。

 結局1年後にはラグビー部に入るのだが、その出遅れがすべての元凶といっても過言ではない。最後の年に1回戦で負けた僕は、他の同級生よりも圧倒的に実感が薄いのだ。実働にして1年半程度しかラグビーをしていない。これじゃ納得できない。大学でやるしかない。そして方向転換。

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いつも定食を頼もうと思うのに、行くと必ず五目焼きそば大盛りだ。